理事長 岩崎香
「なぜ働くのか」ということを考えたことはありますか?私は、今年度引き受けている東京都障害者ピアサポート研修事業のフォローアップ研修で「働くことの意義」という講義の一部を担当し、その問いに向き合うことになりました。
日々の忙しさの中で「なぜ」と問いかけている暇があれば働くという感じですので、立ち止まってみるということも久々の感覚…。そんな自分に危うさを感じつつ、
・暮らしていくため
・社会の中で、どこかに帰属しているという安心感をえるため
・そして、自分が自分であることを確認するため
・あわよくば、誰かに、何かに役だてればという気持ち
というようなことを考えました。若い頃は「~をしなければならない」というような追い立てられるような義務感も強く感じていましたが、その仕事が何に向かっているのかは曖昧で、だから義務のように感じていたのかもしれません。もちろん、仕事として対価を得て行うものには責任が伴いますから、「いつまでに〇〇を行う」という義務もついて回ります。大学教員となって、自分の仕事に関する裁量の多くを自分が持つことになってからは、その仕事をどうして、何のために(誰にために)やるのかということが非常にクリアになったように思います。その分、責任も自分が負う部分が大きくなりました。そこで、仕事はなんとなくやるものではなく、目標や目的が明確なほど、モチベーションがあがることにも気づきました。よく、「できない言い訳を探すより、できる方法を探せ」と言われますが、その仕事がどこにつながっているのかということを深く理解することにより、「できる」という思考が生まれてくるように思いました。
前置きが長くなりましたが、今回、法人のコンセプトを職員にも参加してもらいながら考えた結果、
「Kitto Motto―きっとできるで、もっとつながる―」
に決定しました。ヒューマンブラザーズの渡辺さんの分析結果で、皆さんの回答の中で最も多かったWordのひとつが「できる」だったことにヒントを得ています。「できる」というそのポジティブなWordが皆さんの中から多く語られたことに私は大きな喜びを感じました。
周囲から「やらされている」のではなく、自分たちには「できる」という自信を胸に、共通の目標や目的に向かって今後もチャレンジしていただければと思います(ただし、過重な負担がある場合は、SOSを出してください)。
豊芯会の真価を一緒に発揮「できる」ように、これからも歩を進めていきましょう。